建築から土木へ転職した施工管理が語る、「広く浅い」と「狭く深い」
建設業の中で転職を考えるとき、建築か土木かは思ったより大きな分かれ目です。
同じ「施工管理」という名前でも、中身がかなり違います。
うちに建築から移ってきた人がいるので、その話を書きます。入社6年目の T.Y さん(34歳)です。

前は、建築の現場監督を7年
T.Y さんは大学を出てからずっと同じ会社で、建築の現場監督をしていました。7年間です。
持っている資格も建築の2級施工管理技士。土木の資格は、入社時点では持っていませんでした。
その人が、土木の会社に来ました。
本人の言葉で言うと、こうです
「建築は広く浅い、土木は狭く深い」
これが、いちばん短い説明だと思います。もう少し詳しく聞くと、こうでした。
「建築はいろんな工種があるじゃないですか。ライフライン、水道であったり、その基礎であったり」
「広く浅くっていうイメージなんですよね」
「でもこっちの土木の方が、狭く深い。専門的ですよね、かなり」
建築の現場監督は、扱う範囲がとにかく広い。基礎・躯体・内装・設備・仕上げと、全部の工程に目を配ります。一つひとつをどこまで深く知っているかより、全体を回せるかが問われます。
土木は逆です。扱う対象は絞られますが、そのぶん一つを深くやります。うちなら、あと施工アンカーと非破壊検査。この2つを深いところまで。
どちらが上ということではなく、性格が違うという話です。
入ってすぐ、1人で現場を任されました
T.Y さんは入社直後から、ほぼ1人で現場を持っています。
最初の現場は、入社してすぐのモノレールの補強工事でした。
「入社してすぐ、モノレールの線路の補強工事をやらしてもらって。右も左も分からず」
建築の経験があっても、土木の現場は初めてです。どうしたのかを聞くと、答えは単純でした。
「協力会社さんとかに1から全部教えてもらって」
「職人さんにも直接聞いて、『ここってどうなってるんですか』とか。もう正直、単純な質問」
分からないことを、そのまま聞く。それを繰り返したそうです。
「めちゃくちゃしんどかったです。でも終わってみたら、職人さんとかも『よくやってくれたな』みたいな」
そしてその現場で予算と工期を守り、個人と会社の両方が発注者から表彰されました。
「それはちょっと、すごく嬉しかった」
土木の資格を持たない状態で入ってきた人が、です。
なぜそれができたのか。建築で7年、現場を回してきた経験がそのまま効いたからだと思います。段取りを組む、人に頼む、数字を締める。この部分は建築でも土木でも変わりません。
T.Y さんが施工管理の仕事を説明するときも、工種の話ではなく、この3つでした。
「そこに対して僕らは施工管理としては、安全、品質、あとはやっぱり原価、お金を取りまとめてるっていうイメージが強いです」
土木では、協力会社が何社も日をまたいで入ってきます。その順番を組むことを、T.Y さんは「シミュレーションゲーム的な感じ」と言っていました。建築で全体を回してきた人には、なじみやすい部分だと思います。

ただし、会社としては土木経験者を探しています
ここは正直に書きます。
うちが募集で中心に探しているのは、土木の施工管理経験がある人です。道路でも橋でも、扱ってきたものの種類は問いません。土木の現場管理をやってきたかどうかを見ています。
では建築から来る人はどうなのか。T.Y さんという実例がいる、というのが答えです。無理ではありません。ただ、入ってから覚えることは土木出身の人より多くなります。
そのぶん、うちは入社後に先輩が1名つき、会社が作った半年分のOJT計画に沿って進めます。
いま、T.Y さんが挑戦していること
1級土木施工管理技士です。
建築の2級は持っていますが、土木では別の資格になります。ここは取り直しになる部分です。
今年の試験は1〜2点差で届きませんでした。来年また受けます。
1級を取ると、扱える工事が億単位になります。2級だと4,500万円規模まで。目安ではありますが、桁が変わります。
資格手当も1級土木施工管理技士で月20,000円。基本給とは別支給です。
施工管理を選んだ理由
T.Y さんは、施工管理を自分で選んでなった人です。
「なりたいと思ってなったんです。人と喋るのはそんな嫌いじゃないので」
現場作業が向いている人と、施工管理が向いている人は違う、とも言っていました。
「現場だけやるのが向いてる子と、施工管理は違う」
しんどくないのかと聞くと、こう返ってきました。
「しんどいけど、全然苦ではないです」
「そういうのを積み重ねて、1つのものができるっていうのは、やっぱり嬉しい」
会社のことは、こう話していました。
「ここで言うと、距離が近い。自分の意見も言えるし、それで変わることもあるんで」
建築から土木に移るのは、ゼロからやり直すことではありません。
深さの向きが変わるだけです。広く浅くやってきた人が、一点を深く掘りにくる。そういう移り方なら、うちで機能します。
T.Y さんの話は、インタビュー記事に詳しく書いています。
→ 「現場はシミュレーションゲーム」入社6年目の施工管理に、仕事の中身を聞いてみた
→ 募集要項を見る
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