建設の3Dスキャンには、まだ資格がない。今から入る人が先行者になれる理由
ここまで、非破壊検査の資格の話を書いてきました。
鉄筋探査には配筋探査技術者があり、UTにはレベル1〜3があり、あと施工アンカーには第2種から第1種まである。どれも階段が決まっています。
ところが、まだ階段が決まっていない領域があります。3Dスキャンです。

構造物をまるごと測って、データにします
レーザーで対象を走査して、点の集まりとして形を取り込みます。橋なら橋が、そのままの寸法でパソコンの中に入る。
何に使うのか。
- 図面が残っていない古い構造物の、現状を正確に把握する
- 補修の前後でどう変わったかを比べる
- 施工の計画を、実物の形に合わせて立てる
補修の仕事とは相性が良い技術です。うちが扱うのはすでに存在するものばかりで、しかも図面どおりとは限らないからです。
うちの非破壊検査は、3Dスキャンを含めて4つあります。
| 検査 | 何を確かめるか |
|---|---|
| 鉄筋探査 | コンクリートの中の鉄筋の位置や本数を、電磁波レーダなどで確かめる |
| アンカー引張試験 | 打ったあと施工アンカーが、設計どおりの強さで効いているかを実際に引っ張って確かめる |
| UT | 超音波で、金属の内部の傷や欠陥を探す |
| 3Dスキャン | レーザーで構造物をまるごと測り、点の集まりのデータとして取り込む |
この中で3Dスキャンだけは、まだ資格の仕組みができあがっていません。
業界統一の認証資格が、まだありません
これは正直に書きます。
3Dスキャンには、いま業界で統一された認証資格がありません。
関連するものとしては、こういったあたりです。
| 認定 | |
|---|---|
| 測量士補・測量士 | 国土地理院の登録 |
| 地理空間情報専門技術認定 | 公益社団法人日本測量協会 |
| 無人航空機操縦者技能証明(一等・二等) | 国土交通省 |
ドローンが入っているのは、上空から測る場面があるからです。
資格より先に、基準のほうが整っています。国土交通省が進める i-Construction・インフラDXの流れの中で、国土地理院の「地上レーザスキャナを用いた公共測量マニュアル(案)」や「3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)」といった基準が先にできました。資格の仕組みは、これから追いついてくる段階です。
資格が無いことは、不利ではありません
「資格が決まっていない=評価されない」と読む人がいるかもしれませんが、逆だと思っています。
階段が決まっている資格は、順番に上がれば誰でも同じところに行けます。競争相手も多い。
まだ決まっていない領域は、先に手を出した人がそのまま経験者になります。
3Dスキャンは、経験者そのものがまだ少ない分野です。資格の有無で差がつくのではなく、現場でスキャナを回し、点群データを扱った経験が、そのまま技術者としての価値になります。未経験から入っても先行者になれる可能性がある、と会社としては考えています。
うちは非破壊検査として、鉄筋探査・アンカー引張試験・UT・3Dスキャンを扱っています。この4つを1社で持っている会社は、そう多くありません。

いま社内で足りていないのは、有資格者です
うちの社内は若手が増えています。ただ、それと同時に有資格者が減っています。
これは会社としてはっきり課題だと認識しているところで、資格を取る人を歓迎する理由もここにあります。
社会インフラの老朽化は、これからさらに深刻になっていくといわれています。うちは1996年、阪神・淡路大震災の復旧現場をきっかけに始まった会社です。見えないところを確かめて直す仕事は、この先も必要とされ続けると考えています。
そして3Dスキャンのように、まだ資格の形が定まっていない領域は、やる人がそのまま社内で一番詳しい人になります。
工務部の M.K 部長は、採用で見ているところをこう話していました。
「一番いいのは資格を持った方ですけど、仮に資格がなかったとしても」
「うちに来て、資格を取ろうという気持ちがある方が一番いいですね」
「今いる若い子たちも、まだ資格はないんですけど、チャレンジしてる。そういう子たちに来てもらえたら」
入ってからの流れ
非破壊検査の仕事で入った場合、最初は先輩について検査機器の基本的な操作と、現場での動き方を覚えるところから始めます。先輩が1名つき、会社が作った半年分のOJT計画に沿って進めます。
応募に必要なのは、普通自動車運転免許と高卒以上だけです。入社した時点で資格を持っている人はほとんどいません。
非破壊検査の募集は、未経験で月給32万円〜、経験があれば35万円〜。資格を取ったタイミングで35万円〜に上がり、3年目の目安は38万円〜です。
賞与は年2回、年間2ヶ月分が基本です。年間休日は126日(2026年度実績)で、内訳はGW6日・夏季4日・年末年始6日です。昇給は年2回、人事評価は半年に1回です。非破壊検査の募集は、大阪と東京の両方で出しています。
UTについてはこちらの記事に書いています。
→ 募集要項を見る
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