耐震補強工事とは?壊さずに強くする現場で、実際にやっていること
「耐震補強工事」と聞いて、絵が浮かぶでしょうか。
たぶん浮かびません。建物を建てる工事や、道路を掘る工事と違って、外から見て何が変わったのか分かりにくいからです。
うちの主力の一つなので、中身を書きます。
壊さずに、強くします
耐震補強は、すでに使われているものに手を入れる仕事です。
建て直せば早い。でも高速道路もトンネルも橋も、止めるわけにいきません。使いながら直す。ここが新築の工事と決定的に違うところです。
現場の中心は高速道路・トンネル・橋梁の補修です。

手順は、だいたいこの順番です
1. 中を見る
コンクリートの中に鉄筋が走っています。どこに何本入っているかを鉄筋探査で確認します。
2. 位置を決める
鉄筋を避けて、必要な強度が出る位置に印をつけます。図面が残っていても、実物が図面どおりとは限りません。
3. 穴を開ける
決めた位置に、決めた径と深さで開けます。
4. アンカーを打つ
あと施工アンカーで金物を固定します。ここで初めて「補強材が付く」状態になります。
5. 引っ張って確かめる
本当に効いているかを引張試験で確認します。打って終わりではありません。
6. 記録に残す
どこに何を打って、試験結果がどうだったか。公共工事なので、書類が成果物の一部です。

例えば、落橋防止ブラケット
うちが扱う金物のひとつに、落橋防止ブラケットがあります。
地震で橋桁がずれても落ちないように、橋桁と受け側をつないでおく部品です。これをあと施工アンカーで留めます。
熊本地震のとき、高速道路の橋がずれました。そのとき、このブラケットが支えになったそうです。東京支店の K.M さん(工務部・入社11年目)に聞いた話です。
普段は誰にも気づかれません。地震のときだけ仕事をします。
現場に立つのは、社員だけではありません
ここは誤解されやすいので書いておきます。
うちの関西メンバーは、ほとんどが施工管理です。穴を開けてアンカーを打つ作業そのものは、協力会社の職人が行います。
施工管理が見ているのは3つ。安全・品質・原価です。
工事を止めずに、事故を起こさず、決めた品質で、決めた予算に収める。手を動かすより、段取りと判断の仕事です。
現場は1〜3名のチームに協力会社が加わる形で進みます。この働き方は「施工管理は、ほとんど作業をしない」で詳しく書きました。
扱う工事の規模は、持っている資格で変わります。社内の目安では、2級土木施工管理技士で4,500万円規模まで、1級で億単位の工事です。

大阪の施工管理が、実際に担当している現場
大阪支店の施工管理 T.Y さん(入社6年目)は、前職で建築の現場監督を7年やってから入ってきました。入社してすぐ担当したのが、モノレールの補強工事です。予算と工期を守って終え、本人と会社が発注者から表彰されています。入社直後から、ほぼ1人で現場を任されてきた人です。
同じく大阪の M.A さん(入社7ヶ月目)は、前職が橋梁の防水工事。トラストに来てからの担当は、耐震補強 → 高速道路の遮音壁 → 交通安全施設(ミラーなど)と移っています。
工務部の M.K 部長がトラストと出会ったのは、約15年前の富山の現場でした。いまの工務部は発注者から直接受ける案件を担当していて、積算と入札も部長が見ています。
T.Y さんは、建築から土木に移ってきた実感を「建築は広く浅い、土木は狭く深い」と話していました。工務部の M.K 部長も、前職で道路付属物や高速道路の遮音壁、標識の設置の施工管理を約20年やってきた人です。
「耐震補強の会社」と一言で言っても、現場の中身はこれだけ幅があります。
施工管理の1日は、事務所から始まらない
大阪の施工管理には1人1台の社用車が貸与され、現場へは直行直帰が基本です。
会議や連絡は Microsoft Teams で行います。ずっと現場に張り付いている必要もありません。現場が回るなら、やり方は本人に任されます。この話は「現場に、ずっと立っていなくていい」に書いています。
社内は若手が多く、昔ながらの土木建設会社のような雰囲気ではありません。入社すると先輩が1名つき、会社が作成した半年分のOJT計画に沿って進めます。
ただし、ひとつだけ譲らないことがあります。谷口社長が繰り返し言っているのが、「安全と品質に妥協するな」です。使いながら直す現場で、ここを外すと取り返しがつきません。
夜に動くこともあります
公共の道路が対象だと、昼間は通行止めにできないことがあります。その場合は深夜作業になります。手当は法定どおり支給します。
毎日ではありませんが、ゼロでもありません。ここは先に知っておいてください。
トラストの創業は1996年。きっかけは阪神・淡路大震災の復旧現場でした。
壊れたものを直すところから始まって、いまも直す側にいます。派手さはありませんが、次の地震のときに効く仕事です。
→ 募集要項を見る
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