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あと施工アンカーとは?橋を落とさないために、あとから打つ1本の話

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あと施工アンカーとは?橋を落とさないために、あとから打つ1本の話

求人を見て応募を考えるとき、まず引っかかるのはたぶんここです。

「あと施工アンカー」って、何。

うちの求人には当たり前のように書いてあるのですが、業界の外にいた人が読んで分かる言葉ではありません。実際、面接で聞かれることも多いです。

なので、いちど正面から書いておきます。

トラストは、大阪と東京で仲間を募集しています。

施工管理補助は未経験から月給36万円、土木作業員は未経験から月給30万円。年間休日126日(2026年度実績)。

→ 募集要項を見る


目次

先に結論。コンクリートに、あとから打つボルトです

建物や橋を作るとき、コンクリートを流す前に金物を仕込んでおくのが普通のやり方です。

ところが現実には、あとから何かを付けたくなります。

  • できあがった橋に、地震で落ちないための金具を足したい
  • 高速道路に、あとから防音の壁を立てたい
  • 古い建物を、いまの耐震基準に合わせて補強したい

このとき、固まったコンクリートに穴を開けて、そこにボルトを効かせます。これがあと施工アンカーです。

言葉にすると単純です。穴を開けて、ボルトを入れて、固定する。


壁に打ち込まれたあと施工アンカー
壁に打ち込まれたあと施工アンカー

単純な作業に、なぜ資格があるのか

理由は、そのボルト1本に人の命がかかっているからです。

コンクリートの中には鉄筋が通っています。穴を開ける場所が悪ければ、その鉄筋を切ります。切れば構造物が弱くなる。だから開ける前に、中がどうなっているかを測ります。この話は鉄筋探査の記事に書きました。

打ったあとも、本当に効いているかを引っ張って確かめます。引張試験です。

だから資格があります。一般社団法人日本建設あと施工アンカー協会が認定するあと施工アンカー施工士は、3段階に分かれています。

種別 扱えるボルトの太さ
第2種 M12以下
特2種 M22以下
第1種 径の制限なし

引張試験を自分で行うには特2種以上、すべての径に対応するには第1種が要ります。上位に「あと施工アンカー技術管理士」「あと施工アンカー主任技士」があります。

つまり、資格が上がると触れる工事の範囲そのものが広がります。

そして、資格はそのまま給与にも効きます。うちでは、あと施工アンカーまわりの資格に手当が付きます。

資格 資格手当(月額)
登録あと施工アンカー基幹技能者 20,000円
あと施工アンカー主任技士 10,000円
コンクリート等切断穿孔技士 10,000円

手当は基本給とは別に支給され、複数持っている場合は上限40,000円までです。3段階の中身と、上がると何が変わるかはこちらの記事で詳しく書いています。


打ち込んだアンカーを機器で調べる検査
打ち込んだアンカーを機器で調べる検査

1本を打つまでの流れ

「穴を開けて、ボルトを入れる」を、もう少しだけ分けるとこうなります。

1. 打つ位置を決める。図面を見て、中の鉄筋を探って、避ける場所を決める
2. 穴を開ける。決められた径と深さで開ける
3. 穴の中をきれいにする。削った粉が残っていると、ボルトが効かない
4. アンカーを入れて固定する
5. 効いているかを確かめる。引張試験で、決められた力に耐えるかを見る

どれか1つでも手を抜くと、見た目は同じでも効きません。見た目で分からない仕事だから、手順と資格で守っている。そういう仕事です。


コンクリートのひび割れ補修
コンクリートのひび割れ補修

うちがやっているのは、主に「補修」です

新しく作るほうではありません。すでにあるものを直すほう、補強するほうです。

現場の中心は高速道路・トンネル・橋梁の補修。

トラストは1996年に創業していますが、そのきっかけが阪神・淡路大震災の復旧現場でした。地震で壊れたものを直すところから始まった会社です。

だから、うちの仕事の説明としてはこう言うのが一番近いと思います。

すでに走っている道路や橋を、壊さずに、強くする。


実際にあった話をひとつ

東京支店の K.M さん(工務部・入社11年目)に聞いた話です。

うちが扱う金物のひとつに、落橋防止ブラケットというものがあります。名前のとおり、地震で橋が落ちないように支える部品です。橋桁とその受け側に、あと施工アンカーで留めます。

熊本地震のとき、高速道路の橋がずれました。そのとき、このブラケットが支えになったそうです。

普段、車で橋を渡っていて、その存在に気づくことはありません。気づかれないまま、地震のときだけ仕事をする金物です。

K.M さんはもうひとつ、新東名の防音壁の柱を留めるアンカー施工で、約1年間 静岡に常駐したことがあるそうです(社員になる前の話です)。

高速道路を走っているときに横に立っている、あの壁です。あれも、あとから留められています。


未経験でも入れます。ただし、入り口は2つあります

ここまで読んで「面白そうだけど自分にできるのか」と思った方へ。

うちの募集は、大きく2つに分かれています。

ひとつは、実際に穴を開けて打つ職人。
もうひとつは、その工事全体を管理する施工管理です。

そして関西のメンバーは、ほとんどが施工管理です。作業そのものは協力会社の職人が行い、うちの社員が見ているのは安全と品質とお金。

だから「まず体力がないと無理だろう」と思って引き返す必要はありません。実際、今年入った施工管理のメンバーが入社前にいちばん不安だったのは、体力ではなくパソコンでした。

その話は、こちらに書いています。

→ 「体力は自信あるけど、パソコンが怖かった」入社7ヶ月に聞いてみた


入ってから、何から始めるのか

いきなり1人で現場に出ることはありません。

入社すると先輩が1名つき、会社が作成した半年分のOJT計画に沿って進めます。現場は1〜3名のチームに協力会社が加わる形なので、分からないことを聞ける相手が必ず近くにいます。

大阪の施工管理は、1人1台の社用車が貸与され、現場へは直行直帰が基本です。朝いったん事務所に寄ってから現場へ、という動きは基本的にありません。

未経験で入った人が最初の半年で何をしたのかは、こちらの記事にまとめています。


あと施工アンカーは、知らない人には一生知らないままの仕事です。

ただ、その1本が効いているかどうかで、地震のときに橋が落ちるか落ちないかが変わります。地味ですが、そういう仕事です。

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