「現場はシミュレーションゲーム」施工管理の仕事内容を、入社6年目に聞いてみた
施工管理という仕事を、ちゃんと説明できる人は少ないと思います。
現場監督とどう違うのか。何を見ているのか。求人票には「施工管理」としか書けないので、うちも困っていました。
なので、入社6年目の T.Y さん(工務部 施工管理)に聞いてみました。返ってきた答えが、想像していたものと違いました。
見ているのは3つだけでした
「業者さんと調整して、現場で、図面で指名されているものを仕上げていくんですけども」
「そこに対して僕らは施工管理としては、安全、品質、あとはやっぱり原価、お金を取りまとめてるっていうイメージが強いです」
安全と品質は分かります。3つ目が意外でした。
お金です。

5,000万円を預かるということ
たとえば5,000万円の工事を受注したとします。
「材料費でやったりとか、業者さんのお金でやって、あとは僕らのお金もあるんで。会社から支払われてる僕らの人件費」
「それをまとめて、最初に計画して、最終的にこのぐらいの利益だというのを見て」
もちろん、計画どおりには進みません。
「予測も、めっちゃ天気悪くなったとかありますよね」
「そこをどういう風に業者さんを配置して、どういう風にちょっとでもコストを安くして」
工期が延びれば人件費が増えて、利益が消えていく。だから人の配置を組み替える。
この判断が、施工管理の仕事の中身でした。
だから「シミュレーションゲーム」なんだそうです
大変なところを聞いたら、業者の取りまとめだと言いました。
「そんだけの規模になると、業者さんが1社で済まへん」
複数の会社が、日をまたいで順番に入ってくる。そして——
「ここの業者さんは今日はこのぐらいまで行けるな、っていうのが大体分かる」
会社ごとに、進み方の特性がある。それを頭に入れて明日の段取りを組む。
そこで出てきたのが、この言葉でした。
「ちょっとシミュレーションゲーム的な感じですよね」
しかも、一日の遅れは自分の現場だけでは終わりません。
「また次の業者がその後ろから入ってくるんで」
「天気で1日潰したら、『ちょっとやばいな、次の業者さんがこんだけ入られてる』」
だから日々の連絡が要る。難しさであり、面白さでもある、と。
建築から来た人でした
T.Y さんは前職で、建築の現場監督を7年やっています。同じ施工管理でも、中身が違ったそうです。
「建築はいろんな工種があるじゃないですか。ライフライン、水道であったり、その基礎であったり」
「広く浅くっていうイメージなんですよね」
土木はどうか。
「でもこっちの土木の方が、狭く深い。専門的ですよね、かなり」
浅く広く回すのか、狭い領域を深く詰めるのか。向き不向きが分かれるところだと思います。
入社してすぐ、右も左も分からないまま1人で
いちばん記憶に残っている現場を聞きました。
入社してすぐの、モノレールの補強工事でした。
「入社してすぐ、モノレールの線路の補強工事をやらしてもらって。右も左も分からず」
どう乗り切ったのか。
「協力会社さんとかに1から全部教えてもらって」
「職人さんにも直接聞いて、『ここってどうなってるんですか』とか。もう正直、単純な質問」
分からないことを、そのまま聞く。それを繰り返したそうです。
そして最後はこうなります。
「めちゃくちゃしんどかったです。でも終わってみたら、職人さんとかも『よくやってくれたな』みたいな」

表彰されていました
T.Y さんは入社以来、基本的に1人で現場を任されています。
「もうずっと入社してから。ほぼほぼ僕1人ですよ」
うちの看板を背負って1人で行くのは、緊張しませんか。
「最初はそう思ってました。まあ、行けちゃう」
そして、ある現場で予算も工期も計画どおりに収めました。
「発注者さんから表彰されて。僕が個人と、あと会社と」
「それはちょっと、すごく嬉しかった」

現場作業と施工管理は、別の仕事です
ここも聞いていて考えが変わったところです。
現場で経験を積んだ人が、その延長で管理に上がる。そういう順番だと思っていました。違うそうです。
「現場だけやるのが向いてる子と、施工管理は違う」
T.Y さん自身は、なりたくてなった側でした。
「(施工管理は)なりたいと思ってなったんです。人と喋るのはそんな嫌いじゃないので」
しんどくないんですか、と聞いたら、こう返ってきました。
「しんどいけど、全然苦ではないです」
「そういうのを積み重ねて、1つのものができるっていうのは、やっぱり嬉しい」
社長との距離の話
最後に、この会社を人にどう説明するかを聞きました。
「社長が一等に見てくれてる。細かいところ、見てないところで見てくれて」
「自分の体調の変化であったりとか」
「『お前最近、プライベートとかどうや』っていうのも、社長はよく見てはる」
そして、こう続けました。
「ここで言うと、距離が近い。自分の意見も言えるし、それで変わることもあるんで」
施工管理に興味はあるけれど、何をするのか分からない。
そういう人に T.Y さんが挙げたのは、仕事の内容ではありませんでした。困ったときに、助けが来る。その一点でした。
右も左も分からないまま最初の現場に立った人が、6年後にそう言っています。
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