施工管理の原価管理とは?現場でいちばん神経を使うのは、お金の話
施工管理の仕事を3つで説明すると、安全・品質・原価になります。
このうち、安全と品質は想像がつくと思います。事故を起こさない。決められたとおりに仕上げる。
分かりにくいのは3つ目です。今回はここだけ書きます。

工事の値段は、先に決まっています
入社6年目の T.Y さんの言葉です。
「安全、品質で、あとはやっぱり原価、お金を取りまとめてるっていうイメージ」
公共工事は、受注した時点で金額が決まっています。あとから「思ったより手間がかかったので増やしてください」とは言えません。
決まった金額から、材料費・協力会社への支払い・機械のレンタル代を引いた残りが、会社の利益になります。
その引き算を握っているのが施工管理です。
T.Y さんは、5,000万円の工事を受注したとして、こう説明してくれました。
「材料費でやったりとか、業者さんのお金でやって、あとは僕らのお金もあるんで。会社から支払われてる僕らの人件費」
「それをまとめて、最初に計画して、最終的にこのぐらいの利益だというのを見て」
自分たちの人件費も、原価の一部です。工期が延びれば、そのぶん利益が削られます。
判断が、そのまま数字になります
例えばこういう場面です。
- 機械を何日借りるか。1日多く借りれば、そのぶん出ていく
- 職人を何人呼ぶか。多ければ早く終わるが、費用は増える
- 段取りが悪くて手待ちが出れば、その時間もお金が出ている
現場に立って指示を出しているように見えて、頭の中では常に数字が動いています。
手を動かす仕事ではなく、決める仕事です。
計画どおりに進まない日もあります。
「予測も、めっちゃ天気悪くなったとかありますよね」
「そこをどういう風に業者さんを配置して、どういう風にちょっとでもコストを安くして」
T.Y さんは、協力会社ごとの進み方の違いも頭に入れていると言っていました。
「ここの業者さんは今日はこのぐらいまで行けるな、っていうのが大体分かる」
天気で1日止まれば、後ろに控えている協力会社の予定まで動きます。その組み替えを、数字を見ながら決めていくのが施工管理です。
1日で動くお金
工務部兼技術部 部長の M.K さんは、責任の重さをこう話していました。
「1億とかの現場に、トラックで(資材を)持ってきてもらって、『さあ付けようか』となったときに」
「だいぶ損害を食らいますよね」
「1日100万とか200万とか動かす。現場の人たち、ガードマンとか」
段取りを一つ間違えると、その日動いた人と機械の費用がそのまま消えます。原価を見るというのは、こういうことです。
そのぶん、終わったときの手応えも大きいそうです。
「全て終わった時に、この現場を俺がやったって言えるのが、やっぱり本望かなと」
ただし、順番があります
ここが大事なところです。
工務部兼技術部 部長の M.K さんの言葉を引きます。
「弊社の谷口の場合は安全と品質に妥協するな、といつもみんなに口酸っぱく言ってます」
原価は3番目に出てきます。
安く上げるために安全を削る、品質を落とす、という判断はしない。谷口社長が繰り返し言っているのはそこです。
きれいごとに聞こえるかもしれませんが、公共工事で品質を落とせば次の仕事が来ません。長い目で見れば、これがいちばん合理的な順番でもあります。

数字を握ると、キャリアが変わります
原価が読めるようになると、任される工事が大きくなります。
資格の面でも同じです。2級土木施工管理技士で扱えるのが4,500万円規模まで、1級なら億単位。あくまで目安ですが、金額が上がるほど、判断の重さも上がります。
そして、その先があります。うちには発注者から直接受注する案件を担当する工務部があり、積算や入札もそこで対応しています。
工事を管理する側から、そもそもいくらで受けるかを決める側へ。原価が読める人だけが行ける場所です。工務部の話はこちらの記事に書いています。
実際に、予算と工期を計画どおりに収めた現場があります。T.Y さんが入社してすぐ担当したモノレールの補強工事で、T.Y さん個人と会社の両方が発注者から表彰されました。
「それはちょっと、すごく嬉しかった」
前職で数字を触っていた人へ
建設以外から来る人でも、見積もりや原価に触っていた経験は、そのまま効きます。
数字の資格にも手当があります。建設業経理士1級で月10,000円、2級で月5,000円です。1級土木施工管理技士の月20,000円と合わせて持つこともできます。複数持っている場合は合算され、上限は月40,000円まで。基本給とは別に支給します。
逆に、現場作業の経験しかなくても構いません。うちは入社後に先輩が1名つき、会社が作った半年分のOJT計画に沿って進めます。
体力ではなく、段取りと数字。それが施工管理の中身です。
T.Y さんの話は、インタビュー記事に詳しく書いています。
→ 「現場はシミュレーションゲーム」入社6年目の施工管理に、仕事の中身を聞いてみた
→ 募集要項を見る
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