鉄筋探査とは?コンクリートに穴を開ける前に、中を見る仕事
コンクリートに穴を開ける、と聞くと簡単そうに聞こえます。
ドリルで開ければいい。実際、道具としてはそうです。
ただ、その前にやることがあります。中がどうなっているかを見る。これが鉄筋探査です。
コンクリートの中には、鉄筋が入っています
コンクリートは押される力に強く、引っ張られる力に弱い。だから中に鉄筋を通して補っています。
つまり、中身は空ではありません。格子状に鉄が走っています。
何も見ずに穴を開けると、その鉄筋を切ります。切れば構造物が弱くなる。橋なら橋が、建物なら建物が、そのぶん弱くなります。
しかも、切ったかどうかは外から見て分かりません。

見えないものを、見る方法があります
コンクリートを壊さずに中を調べる技術を、まとめて非破壊検査と呼びます。鉄筋探査はその一種です。
主な方法は2つです。
電磁波レーダ法 — 電波を当てて、跳ね返りから鉄筋の位置と深さを読む
電磁誘導法 — 磁場を使って鉄筋の位置を拾う
現場では、機械を壁や床の上で滑らせて、画面に出る反応を読みます。読み取るのは人です。ここに技量の差が出ます。
資格もあります。一般社団法人日本非破壊検査工業会が認定する「コンクリート構造物の配筋探査技術者」で、土木(電磁波レーダ法・電磁誘導法)と建築の区分があります。
この資格は、あって困らない、という程度のものではありません。国土交通省の「非破壊試験によるコンクリート構造物中の配筋状態及びかぶり測定要領」では、資格を持つ技術者が測定することが前提になっています。公共工事では、資格者がいないと測れない、ということです。

「測ってから打つ」がセットになっている理由
うちが扱う現場は、高速道路・トンネル・橋梁の補修が中心です。
新しく作るのではなく、すでに使われているものに手を入れる。図面が残っていても、実物が図面どおりとは限りません。
だから測ります。測ってから、避けて打つ。
測った結果は、そのまま次の工程の前提になります。打つ位置が決まり、穴の径と深さが決まり、最後は打ったアンカーが効いているかを引っ張って確かめる。あと施工アンカーの流れはこちらの記事に書きました。最初の「測る」を間違えると、そのあと全部がずれます。
トラストが非破壊検査とあと施工アンカーの両方をやっているのは、この2つがもともと切り離せないからです。打つ側だけをやっていると、中を見る目が育ちません。
未経験から入れる領域です
鉄筋探査は、体力より機械の反応を読む仕事です。
そして、入社した時点で資格を持っている人はほとんどいません。応募に必要なのは、普通自動車運転免許と高卒以上だけです。
未経験で入った場合は、この配筋探査技術者や、第2種あと施工アンカー施工士から取りにいくのが一般的な流れです。最初は決められた手順どおりに確実に測る側。上に上がるにつれて、「どう検査するかを考える」「結果をどう評価するか判断する」側に回っていきます。
入社すると先輩が1名つき、会社が作成した半年分のOJT計画に沿って進めます。いきなり1人で現場の判断を任されることはありません。
最初にやるのは、先輩について検査機器の基本的な操作と、現場での動き方を覚えることです。資格がなくても任せられる範囲から始めます。

3年目くらいで、仕事の中身が変わります
入社3年目の目安は月給38万円〜です。このあたりから、測る作業そのものだけでなく、検査の計画を立てる、結果を評価するといった、判断を伴う仕事に関わる場面が増えていきます。
うちは資格を、「手当が数千円つく」ものではなく、給与テーブルそのものが1段階上がるものとして組み込んでいます。資格を取ったら月給35万円〜、というのはそういう意味です。
未経験の方を積極的に採っているのには理由があります。非破壊検査の経験者は、建設業界の中でももともと少ない。経験者だけを待っていても人が揃わないので、時間をかけて育てる前提で採用しています。
うちの非破壊検査は未経験の募集からで月給32万円〜、経験があれば35万円〜からのスタートになります。未経験で入った人も、資格を取ったタイミングで月給35万円〜に上がります。資格の段階と手当の話はこちらにまとめています。
創業は1996年、きっかけは阪神・淡路大震災の復旧現場でした。壊れたものを直すところから始まった会社なので、「中を見てから触る」という順番は、いちばん最初から変わっていません。
うちの非破壊検査は、鉄筋探査のほかに、アンカー引張試験、UT(超音波探傷試験)、3Dスキャンがあります。この4つが、トラストの非破壊検査の中心です。UTは一般社団法人日本非破壊検査協会がJIS Z 2305に基づいて認証する資格で、レベル1からレベル3まであります。3Dスキャンは、まだ業界で統一された認証資格がない領域です。募集は大阪と東京の両方で出しています。
→ 募集要項を見る
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